XICA 株式会社サイカ

プロフェッショナルたちで、一番良いものをとどける

株式会社サイカ
新オフィスに設置された独創的な、まるで浮かんでいるような発光文字と、対照的にも思える天然素材を組み合せたサイン。

設計された dada Inc. CEO 野村大輔さんに、実際にオフィスを案内いただきながら、お話しをお伺いしました。

今回お話しを伺った
dada Inc. Creative Director / CEO 野村 大輔さん

◼︎XICA(株式会社サイカ)様について

初期段階で支給された完成イメージパース
すべてはこの一枚からはじまりました。

「華やかに現れでた才能」を意味する”才華”を社名の由来としデータサイエンスとテクノロジーにより、透明で公正なメカニズムを提供し、「人・組織・社会の才能開花を最大化」という企業のコンセプトで、データサイエンスを駆使したマーケティングソリューションを提供されています。

マーケティングの戦略コンサルティングから、施策設計・実行、効果検証に至るまで、企業のマーケティングプロセス全体を支援するデータサイエンスカンパニー。

◼︎プロジェクトのはじまり

野村)オーナーのXICAさんからもらったコンセプトの要件を意識しました。

・社員の才能が開花していく
・各ステークホルダーが信頼性と先進性を感じられるブランディングを表現
・オフィスを通じてXICAが語られ、訪れた人たちがまたXICAを語る環境

 日本人には居心地の良さを、海外の方にはその楽しさを体感してもらえるような「日本庭園」を感じさせる空間をつくりました。
従来のクラシックな要素を取り入れた和モダンではなく、テクノロジーを取り入れ新しいものを作り上げる、XICAさんの経営理念ともリンクさせるというところからクリエイティブがスタートしていきました。

ガラスで覆われた茶室のテーブルトップには、
什器や仕切りで「XICA」ロゴを配置した平面をデザイン的に表現。

◼︎恩送りとプロフェッショナル達のコラボレーション

野村)エントランスへと続くゲートに使っているルーバーは石巻の間伐材を取り入れていて、従来の林業としての製材や販売にとどまらず、伐採から加工、そして現場施工までを担ってもらう新たな取り組みは、石巻の林業の発展への想いが込められています。またそれぞれの道のプロがさらにクリエイティビティを発揮して付加価値を見いだしながら、私たちが先人から受けた恩を次の世代へ、クリエイティブと人を送る「恩送り」と考えています。

設計施工までを一貫するのではなく、「設計」の責任を全うし、「施工」はgdz㈱を主としたのプロ集団でアイデアを形にしていってもらう、クリエイティブな形で繋いでいくことが大事だと考えています。生産者の顔を見て打ち合わせ、思いを組んでやっていく。コンストラクトチームに、あえて詳しいイメージは示さず、プロジェクトをより素晴らしいものにするために、一緒に作り上げて行く。
設計者としては、設計だけで止めておくのも大事で、時間も限られているということもありますし、フェアにいろんなものを見るのも大切な視点だと考えています。

エントランスから伸びる廊下の先
真正面に文字が浮かんでみえる用に設置されたサイン
中央に設置することで、背面に回り込むこともできる
サインを中心にしたエントランス空間

野村)そういう意味では、今回自分が思う石加工のトップである大蔵山スタジオさんと、サインのトップであるダイカンさんとで、XICA様のこのカウンターサインを作ってもらって、やはり各社のテクノロジーが大事だなと。これをやるとき選択を間違えると、似て非なるものになってしまうので、その道のプロ同士がコラボすることで生まれるものに意味があると思います。

コンストラクションチームと一緒に作り上げていくことで、一体感が生まれその交流も大事だと考えているので、通常は案件を施主様に引き渡したら任務完了なのですが、携わった各社にお披露目会を催し、各社がそれぞれのクライアントを連れて参加するような機会をつくることで、また新たなアイデアが生まれる、これも恩送りの一つだと思っています。

◼︎サインに込めた想い

通常なら、壁面にサインがあるのが一般的ですが、あえてカウンターへ置き型配置することで、360度どこからもXICAのロゴが見渡せて、鏡柱や、ガラス壁にも、そのロゴが反射して映し出される効果も狙っていたそうです。
自然なマテリアルに、サイエンスを感じさせるような不思議な発光を放つサイン、「I」の文字は上に引き上げると、文字が抜けて消灯し、差し込むと再び発光する、驚きと感動の遊び心が込められている…

これはまさに、野村さんの中に流れている、ジャニー喜多川さんからもらった言葉「空間には驚きと楽しさが無いとダメだよ」という想いや、野村さん自身の遊び心が反映されています。

下部からの光源でエッジが光り輝く自立文字
「I」の一文字だけ、取り外すことが出来るように。引き抜くと消灯、差し込むと点灯する仕組みになっている。
みんなが手に取り、触れるサインとして遊び心ある演出。

◼︎完成したサインの感想

仁義)サンプルの段階で、ベースをステンレスで作成したときの光のイメージについてはいかがでしたか?

野村)「さすがさすが」という感じ。ここから更にブラッシュアップされていくんだろうなと。完成品のこの木の無垢板の耳もまたいいんですよね。
業界のトップに依頼することを嫌っていた時期があったけど、一番良いものって、それぞれのトップと今までにないものを作りあげることだと気づいて。なので今回すぐダイカンさんを思いつきました。だからこそ、このクオリティが生まれるのだと思います。

仁義)恐縮です、ありがとうございます!

左:ダイカン 実務担当 繁森 咲子
中央:dada Inc. 野村 大輔 さん 右:ダイカン 代表取締役専務 仁義 健
発光検証時のモックアップはベース部をステンレスで製作
イメージに近い杉の無垢材を選定
実際に使用された加工前の大蔵山伊達冠石
石割りイメージのスケッチ
軽量化を図るために、石内部を切削
無垢板との接合部はしっかりと固定でき
且つ配線を逃がす加工

◼︎新オフィスのお披露目の機会で

お引き渡し後に、XICA様では社員とそのご家族を対象に、「XICAファミリーデー」として、新しいオフィスのお披露目会を催されました。
野村さんは、普段から案件のお引き渡し後のお披露目の席には同席しないようにされているそうです。そこには、この空間の設計を手掛けたのは自分自身ではあるのですが、施主さんや社員の方々の思いや意向で作り出された空間だから…という思いをお持ちだと伺いました。

ですが、今回のファミリーデーの際には参加され、設計の趣旨やデザインの説明などもされたそうです。その際に、社員やそのご家族からは、驚きと、感激の言葉や、こんな素敵な会社に勤めていることについての、喜びや誇らしい気持ちが漏れ聞こえてきた、と大変うれしそうに語られていました。

石だけで天板を保持する仕様のため、たわまない様に裏面を切削しステンレス加工部材で補強し、配線の逃がすスペースも確保。
W2100mmを守りながら、先端にかけてたわみが出ないようステンレス受けプレートを挟んでの最終調整を工場出荷前に。
石材加工直後の写真。設置後には接合部が分からないように。 現場での最終調整作業も大蔵山スタジオさんによる匠の技。
メンテナンス用のパネルは軽量のアルミプレートを採用。その表面にはダイカンマテリアルペイントで、杉板に近い色を表現し一体感を演出。
左側:ダイカンマテリアルペイント仕上
  右側:杉板
  色目も雰囲気もピッタリ。

◼︎製作後記

設置直後の写真が送られてきた時の驚き。サインだけでなく、空間全体が初期のイメージパースと同じに仕上がっていました。この仕事に携わったプロフェッショナル達の技術力の高さがその空間を生み出したのだと、改めて感動。

ダイカンが担当したサインの完成度にも高い評価とお褒めの言葉を直接いただけて胸をなでおろしました。さっそく、弊社製作スタッフにも写真とともにいただいた感想を共有し、労いを伝えました。
またひとつ、モノづくりの醍醐味を味わえる機会を頂けたことに感謝の気持ちでいっぱいです。
本当にありがとうございました。

仁義 健

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